• 2024.2/12(月.祝)
    10:00 - 13:00
    要事前申し込み

    第9回痛みに対する認知行動療法研修会(ZOOM開催)
    参加費:3,000円(前払い)
    主催:特定非営利活動法人痛みにとりくむしらかば
    共催:慢性疼痛診療システム均てん化等事業(近畿地区)
    一般社団法人認知行動療研修開発センター
    セミナーお申し込み

    【セミナーの趣旨】
    痛み、特に慢性の痛みに認知行動療法がよい治療法であるということは広く知られています。しかしながら、どんな患者さんにどんな認知行動療法が良いのか、適切に判断して実行することは簡単ではありません。これまでの本研修会でも扱ってきた認知行動療法の基本的な手法である認知再構成や行動活性化などは、受け入れる準備ができている患者さんには確かに効果がありますが、実際の診療では受け入れる準備ができていない患者さんも少なくありません。今回のセミナーでご紹介するリカバリーを目指した認知行動療法(CT-R)は、そのような準備が出来ていない患者さんにも応用が可能な方法で、認知療法の創始者であるA Beck先生が、晩年に取り組まれた新しい認知行動療法です。
    今回のセミナーでは、CT-Rの基本的な考え方や具体的な対応の仕方をBeck Institute のCBT Program Directorを務めておられるA Miller先生と日本に認知行動療法を初めて導入された大野裕先生から学ぶという大変貴重な機会を作ることができました。A Miller先生によるロールプレイ動画を見ていただくと、リカバリーを目指した認知行動療法が実際にどのようなものであるかを理解できますし、大野先生の解説を聴いていただくとCT-Rと従来のCBTとの違いが理解できます。今回、大野先生のご尽力によりBeck Instituteが作成したこの貴重な動画3本を参加者皆様方に見ていただくことができます。大野先生の解説、A Miller先生らによるロールプレイ、その他4名の医師や心理師のディスカッションは、初学者にも大変分かりやすい内容になっております。

    【セミナーの対象者】
    このセミナーは痛みを訴える患者さんを診療する機会のあるペインクリニックや整形外科の先生方をはじめ、脳神経内科や脳神経外科、心療内科、精神科、歯科医師など幅広い診療科の先生方に役に立ちます。うつや不安障害などの方々に対して認知行動療法を実践されている心理師(士)の皆様方にも慢性の痛みに対する認知行動療法を学ぶ機会になります。さらに痛みを訴える患者さんに接する機会の多い看護師やリハビリ療法士の方々の普段のかかわりにも非常に参考になります。大変貴重な機会ですので、お知り合いの方にも広く知っていただき、一人でも多くの方に参加していただきたいと考えております。

    【出演者のプロフィール】
    大野 裕 先生
    元慶應義塾大学教授 元国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長
    現在一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長
    日本に初めて認知行動療法を導入した認知行動療法の第一人者 皇后陛下の主治医としても知られている

    柴田 政彦 先生
    元大阪大学大学院医学系研究科疼痛医学寄附講座教授
    現在 奈良学園大学保健医療学部教授 大阪大学大学院医学系研究科招へい教授
    NPO法人痛みに取り組むしらかば理事長
    難治性の痛み患者の診療を通して痛みの診療に臨床心理学の重要性を学び、臨床心理士、公認心理師の資格を取得した。慢性痛に対する認知行動療法の研究者

    西江 宏行 先生
    現在 川崎医科大学附属病院麻酔・集中治療科講師
    ペインクリニックの診療を通して心理的なアプローチが重要だと感じて、海外の痛みセンターを訪問しその方法を学ばれてきた麻酔科の医師

    安達 友紀 先生
    現在 神戸大学大学院人間発達環境学研究科助教
    大阪大学医学部附属病院疼痛医療センター 滋賀医科大学附属病院痛みセンターにて心理師としての臨床経験を積むとともに慢性痛に関連した多くの臨床研究を行ってきた心理師

    細越 寛樹 先生
    現在 関西大学社会学部社会学科心理学専攻教授
    慢性痛に対する認知行動療法の研究者 現在慢性痛に対する認知行動療法の有効性を多施設共同で検証している研究代表者 心理師

    Beck Institute
    ベック認知行動療法研究所(Beck Institute for Cognitive Behavior Therapy)は、フィラデルフィア郊外にある非営利団体で、国際的な認知行動療法(CBT)の訓練・研究センターである。1994年にアーロン・T・ベックと娘のジュディス・S・ベックによって設立された。
    アーロン・T・ベックはベック研究所の名誉会長であった。ベックは2021年11月1日に100歳で死去した。彼は認知療法の創始者として知られ、認知行動療法が発展した要素の1つである。 娘のジュディス・ベックはベック研究所の現所長である。アーロン・ベックは死去時ペンシルベニア大学精神医学名誉教授であり、同大学で研究を続けていた。リサ・コリアーノはベック研究所のエグゼクティブ・ディレクターであり、アレン・R・ミラー博士はCBTプログラム・ディレクターである。
    ベック・インスティテュートのトレーニング・プログラムの中には、世界中の健康およびメンタルヘルスの専門家のためのライブ・オンライン・ワークショップと包括的なオンデマンド・コースがある。また、セラピストのためのスーパービジョンやコンサルテーションも行っている。トレーニングは個人および組織向けである。ベック・インスティテュートのワークショップでは、うつ病、不安障害、パーソナリティ障害、青少年、PTSD、統合失調症などのCBTなど、さまざまなトピックを扱っている。

    【NPO痛みに取り組むしらかば について】
    慢性の痛みで悩んでいる方は多いにもかかわらず、通常行っている治療では改善しない場合も少なくありません。痛みは医学的な原因だけではなく環境要因やとらえ方などさまざまな要因が影響する複雑なものです。広い視野で患者さまの痛みに対処できる医療者の育成や、痛みについての一般市民への啓蒙が重要になります。行政や教育機関の取り組みだけでなく、地域に根付いた長期的な取り組みも必要です。セミナーの開催や機関誌の発行など、痛みが問題となりうる現場のサポートにつながる活動を行っています。

  • ▶︎ 当法人が共催するセミナー開催情報